現場から
民泊の消防のルールとは?必要な消防設備と消防法令適合通知書の取り方、名古屋市での流れ
民泊の消防設備は、家主が不在になるか、宿泊室が50㎡を超えるかで決まる「消防法令上の用途」によって変わります。名古屋市では、保健センターの事前相談のあと、消防署予防課で消防法令適合通知書を申請します。
この記事の要点
- 民泊の消防設備は、家主が不在か、宿泊室が50㎡を超えるかで決まる「用途」で変わります
- 家主不在型の多くは、ホテル・旅館と同じ「宿泊施設」の扱いになり、自動火災報知設備などが要ります
- 名古屋市では、保健センターの事前相談のあと、消防署予防課で消防法令適合通知書を申請します
民泊の消防のルールは、住宅を宿として使うときに、火災から宿泊者を守るための決まりです。必要な設備は物件ごとに変わり、最後は管轄の消防署が判断します。
この記事では、消防庁と名古屋市の公式の資料をもとに、用途の決まり方・必要になりやすい設備・消防法令適合通知書の取り方を整理します。清掃のときに気をつけたい点もまとめます。
名古屋市内の民泊清掃のご相談は、公式LINEかフォームから承っています。お見積りは無料です。
民泊の消防設備は「消防法令上の用途」で決まる
民泊の消防設備は、宿泊させる間に家主が不在になるか、宿泊室の床面積の合計が50㎡を超えるかで決まる、消防法令上の用途によって変わります。
消防庁のリーフレットは、次のように用途を分けています。家主の在・不在は、一戸建てなら建物ごと、共同住宅なら住戸ごとに判断します。
| 家主の状態 | 宿泊室の床面積の合計 | 住戸の用途 |
|---|---|---|
| 不在になる | 面積にかかわらず | 宿泊施設((5)項イ) |
| 不在にならない | 50㎡を超える | 宿泊施設((5)項イ) |
| 不在にならない | 50㎡以下 | 一般住宅 |
出典: 消防庁「民泊における消防法令上の取扱い等について」(2019年3月版)(2026年10月24日確認)
宿泊室の面積とは、宿泊者が寝るための部屋の床面積の合計です。リビングや台所は入りません。共同住宅では、住戸の用途をもとに、建物全体(棟)の用途が決まります。
ポイント
家主が住まない部屋や一戸建てを丸ごと貸す「家主不在型」は、広さにかかわらず宿泊施設の扱いになります。
宿泊施設の扱いになると、どんな消防設備が要る?
民泊が宿泊施設((5)項イ)の扱いになると、消防法施行令により、自動火災報知設備と誘導灯が原則として必要になり、カーテンなどは防炎物品を使います。
消防法施行令の条文と、消防庁のリーフレットから、主な設備をまとめました。建物の広さや階数で、要る・要らないが変わる設備もあります。
| 設備 | 宿泊施設((5)項イ)の場合の考え方 |
|---|---|
| 自動火災報知設備 | 広さにかかわらず必要(施行令第21条) |
| 誘導灯 | 必要(施行令第26条)。避難が容易な場合は免除されることがある |
| 消火器 | 延べ面積150㎡以上で必要(施行令第10条)。地階・3階以上などは別の基準 |
| 防炎物品 | カーテン・じゅうたん等は防炎性能のあるものを使う(施行令第4条の3) |
| 非常用照明器具 | 住宅宿泊事業法第6条の安全措置として設ける |
出典: e-Gov法令検索「消防法施行令」・e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法」第6条(2026年10月24日確認)
注意
名古屋市の火災予防条例など、市の決まりで求められる対応もあります。表は国の基準の目安で、要否は必ず管轄の消防署で確かめてください。
小さな建物なら「特小自火報」が使える
延べ面積が300㎡未満の建物では、特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)を使えます。原則として2階建て以下に限ります。
- 無線で連動する感知器で、配線工事がいらないものがある
- 感知器だけで受信機を置かない場合、消防設備士の資格がなくても設置できる
- 家電量販店の連動型住宅用火災警報器は、特小自火報としては使えない
- 設置が終わったら、管轄の消防署へ設置届を出す
出典: 消防庁「民泊における消防用設備の設置について」(2019年3月版)(2026年10月24日確認)
一般住宅の扱いなら、消防設備はいらない?
家主が住んでいて宿泊室が50㎡以下の民泊は一般住宅の扱いになりますが、宿泊室などに住宅用火災警報器をつける必要があります。
消防庁のリーフレットは、民泊の用途が一般住宅となる場合でも、宿泊室などに住宅用火災警報器が必要だとしています。
- 宿泊室など、寝る部屋に住宅用火災警報器をつける
- 住宅宿泊事業法の安全措置(非常用照明器具など)は別に必要
- 家主が長く家を空ける運用に変えると、用途が変わることがある
用途が変わると、必要な設備も変わります。名古屋市では、宿泊中の在・不在の状況が変わるときなどに、新たに消防法令適合通知書が必要になる場合があります。
出典: 名古屋市「住宅宿泊事業(民泊)変更の届出」・消防庁「民泊における消防用設備の設置について」(2026年10月24日確認)
消防法令適合通知書とは?
消防法令適合通知書とは、建物が消防法令の基準に合っていることを消防署が確認して出す書面で、民泊の届出にあわせて提出することとされています。
消防庁のリーフレットによると、住宅宿泊事業法の施行要領(ガイドライン)で、届出のときに消防法令適合通知書をあわせて出すことが求められています。名古屋市も、届出書に通知書かその写しをつけるよう案内しています。
- 管轄の保健センターで事前相談図面を持って相談します。事前相談をしていないと、消防署で受け付けてもらえない場合があります
- 消防署予防課に相談・交付申請建物がある区の消防署予防課に、申請書を出します。住宅宿泊事業は様式第3号です
- 消防署の実地検査申請を受けて、消防署が現地を検査します
- 通知書の交付消防法令に合っていると確認されると、通知書が交付されます
- 民泊の届出に添付届出書に通知書かその写しをつけます。システムで届け出るときは原本をスキャンします
出典: 名古屋市「住宅宿泊事業(民泊)届出」・名古屋市消防局「民泊について」(2026年10月24日確認)
名古屋市の消防署に出す書類
名古屋市消防局は、住宅宿泊事業の場合に次の書類を添えるよう案内しています。受付は平日の8時45分から17時15分までです。
- 届出書類の写しなど、届出の内容がわかる資料
- 施設や設備の状況を示す平面図
- 法人が申請する場合は、登記簿抄本の写し
- そのほか、担当者から指示された資料(避難経路図など)
平面図には、消火器・感知器・誘導灯の位置、非常照明、避難経路図、懐中電灯、防炎物品の場所を書き込みます。
出典: 名古屋市消防局「消防法令適合通知書」(2026年10月24日確認)
消防設備をつけるときの届出
消防用設備をつけたときは、設置工事が終わった日から4日以内に、管轄の消防署へ消防用設備等設置届出書を出します。
消防庁のリーフレットは、ほかにも次の届出が要る場合があるとしています。どれが要るかは、事前に消防署へ確認します。
| 届出 | いつ・どんなとき |
|---|---|
| 着工届 | 消防設備士が工事をする場合、着手の10日前までに出す |
| 設置届 | 設置工事が終わった日から4日以内に出す |
| 防火管理者の選任・消防計画の届出 | 建物の収容人員が30人以上になる場合 |
| 使用開始届 | 市町村の火災予防条例で求められる場合 |
出典: 消防庁「民泊における消防法令上の取扱い等について」(2026年10月24日確認)
清掃のときに気をつけたい消防の点
民泊の清掃では、消火器の位置を動かさない、感知器をふさがない、避難経路に物を置かないことを、毎回の作業手順に入れておくと安全です。
消防の設備は、届出のときにそろえて終わりではありません。清掃のたびに、宿泊者が逃げられる状態に戻すことが大切です。
- 消火器が決められた場所にあり、前に物が置かれていない
- 感知器の近くに、布や荷物がかぶさっていない
- 玄関や廊下など避難経路に、ごみ袋や荷物を置いていない
- 避難経路図や案内が、はがれずに貼られている
- 懐中電灯が、決められた場所にある
株式会社ミルは、名古屋市中区金山に事務所を置き、名古屋市内の民泊・宿泊施設の客室清掃を、リネン・アメニティ・ごみの回収まで含めて請け負う清掃代行会社です。
ミルは物件ごとに手順書をつくり、作業のたびに決められたアングルの写真で報告します。
なお、防炎のリネンサプライには対応していません。その場合はオーナー様に購入いただき、ミルで管理します。くわしくは清掃サービスのページをご覧ください。
名古屋市内の物件なら、消防の設備の位置も手順書に入れて清掃します。
ポイント
ミルの対応エリアは名古屋市内のみです。名古屋市外の物件は、お近くの清掃会社にご相談ください。
よくある質問
Q. 民泊には、必ず自動火災報知設備が要りますか?
宿泊施設((5)項イ)の扱いになる民泊では、原則として必要です。家主が住んでいて宿泊室が50㎡以下なら一般住宅の扱いで、住宅用火災警報器をつけます。
Q. 家主不在型のマンションの一室でも、宿泊施設の扱いになりますか?
消防庁のリーフレットでは、家主が不在になる住戸は宿泊施設((5)項イ)とされています。建物全体の扱いは住戸の割合などで決まるため、消防署で確認してください。
Q. 特小自火報は自分で取りつけられますか?
感知器だけで受信機などを置かない場合は、消防設備士の資格がなくても設置できます。設置が終わったら設置届を出します。無線が届かない建物では使えないことがあります。
Q. 名古屋市では、消防署と保健センターのどちらに先に行きますか?
先に管轄の保健センターで事前相談をします。その書類を持って、建物がある区の消防署予防課に相談・申請します。
Q. 民泊でカーテンは防炎でないといけませんか?
宿泊施設((5)項イ)は防炎防火対象物にあたり、カーテンやじゅうたん等は防炎性能のあるものを使います。一般住宅の扱いになる場合は、消防署に確認してください。
Q. 消防法令適合通知書の申請に、手数料はかかりますか?
名古屋市の公式の案内では、手数料の記載は確認できませんでした。申請の前に、建物がある区の消防署予防課に確認してください。
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