現場から
民泊の始め方を7つの手順で解説|個人・賃貸・自宅で始めるときの注意と、清掃の決め方
民泊(住宅宿泊事業)は、制度を選ぶ→物件の条件を確かめる→管理の形を決める→図面と安全措置→事前相談と消防→届出→開業準備、の7つの手順で始めます。届出は事業を始める日の前日までに出します。
この記事の要点
- 民泊は、制度選び・物件の確認・管理の形・図面・相談と消防・届出・開業準備の7手順で始めます
- 賃貸なら貸主の転貸の承諾、マンションなら管理規約の確認が、届出の前に要ります
- 家主が不在になる形なら、住宅宿泊管理業者への委託が法律で決まっています
民泊の始め方は、住宅宿泊事業法の届出を中心に、7つの手順に分けると見通しが立ちます。物件を借りたり買ったりする前に、手順の1〜3を確かめるのが失敗しないコツです。
この記事では、法令と観光庁・自治体の公式の案内をもとに、個人が民泊を始める手順を説明します。開業の前に決めておきたい清掃の体制にもふれます。
名古屋市内で民泊の開業を準備中の方へ。清掃のご相談は公式LINEかフォームで承っています。
民泊を始める7つの手順の全体像
民泊を始める手順は、制度を選び、物件と管理の形を確かめ、図面と相談・消防の準備をして届出を出し、開業の準備をする流れです。
- 制度を選ぶ住宅宿泊事業(届出)か、旅館業(許可)かを決めます
- 物件の条件を確かめる住宅の要件・用途地域・賃貸の承諾・管理規約を見ます
- 管理の形を決める家主が住みながらか、家主不在で管理業者に任せるかを決めます
- 図面と安全措置を用意する間取りや面積、非常用照明器具の位置を図面に書きます
- 事前相談・近隣への周知・消防の手続き自治体の窓口に相談し、消防法令適合通知書を取ります
- 届出を出す事業を始める日の前日までに、民泊制度運営システムなどで届け出ます
- 開業の準備をする標識の掲示、宿泊者名簿、清掃・ごみ・リネンの段取りを整えます
手順の5は自治体によって中身がちがいます。名古屋市の場合は、後の段で短くまとめます。
手順1. 民泊の制度を選ぶ
民泊を始めるときは、まず年間180日までの住宅宿泊事業(届出制)にするか、日数の上限がない旅館業(許可制)にするかを選びます。
| 項目 | 住宅宿泊事業(民泊) | 旅館業(簡易宿所など) |
|---|---|---|
| 手続き | 届出 | 許可 |
| 営業日数 | 1年間で180日まで | 上限なし |
| 根拠の法律 | 住宅宿泊事業法 | 旅館業法 |
出典: e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法」第2条・第3条・e-Gov法令検索「旅館業法」第3条(2026年10月24日確認)
個人が自宅や一室で小さく始めるなら、届出で始められる住宅宿泊事業が候補になりやすいです。この記事では、住宅宿泊事業の手順を中心に説明します。
手順2. 物件の条件を確かめる
民泊に使える住宅は、台所・浴室・便所・洗面設備があり、人が住んでいる、入居者を募集している、または所有者などがときどき住んでいる家屋です。
住宅宿泊事業法第2条第1項と施行規則第1条・第2条が、住宅の要件を決めています。あわせて、次の点を物件ごとに確かめます。
- 台所・浴室・便所・洗面設備の4つがあるか
- 工業専用地域ではないか(住宅宿泊事業はできない)
- 自治体の条例で、営業できる区域や期間が制限されていないか
- 賃貸なら、貸主が民泊のための転貸を承諾しているか
- マンションなら、管理規約で民泊が禁止されていないか
出典: e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法施行規則」第1条・第2条・第4条(2026年10月24日確認)
注意
賃貸物件で貸主の承諾がないまま始めることはできません。届出のときに、転貸を承諾したことを証する書面を添えます。
自宅・賃貸・マンションでの注意
自宅の一部を使う場合は、家主が住みながら泊める「家主居住型」になりやすく、管理の負担を自分で持つ形です。賃貸の場合は、承諾書をもらう前に契約しないようにします。
マンションの場合、規約に民泊の定めがないときは、管理組合に禁止する意思がないことを確かめた書類も要ります。
手順3. 管理の形を決める(家主居住型・家主不在型)
宿泊させる間に家主が不在になる民泊や、居室が5を超える民泊は、住宅宿泊管理業者に管理業務の全部を委託しなければなりません。
住宅宿泊事業法第11条が、この委託の義務を決めています。日用品の買い物など、日常の短い外出は「不在」に入りません。観光庁の案内では、原則1時間(事情によって2時間程度まで)です。
| 管理の形 | 管理業者への委託 |
|---|---|
| 家主が住みながら泊める(居室5以下) | 原則いらない |
| 宿泊させる間、家主が不在になる | 必要(例外あり) |
| 居室が5を超える | 必要 |
出典: 観光庁 民泊制度ポータルサイト「管理業務の委託について」(2026年10月24日確認)
ポイント
法人が事業者になる場合は、常に「不在」の扱いになります。会社で始めるなら、管理業者への委託を前提に計画します。
手順4. 図面と安全措置を用意する
民泊の届出には、台所などの設備の位置、間取りと出入口、各階の別、居室・宿泊室などの床面積を書いた住宅の図面を添えます。
図面には、非常用照明器具の位置など、宿泊者の安全を守る措置も書き込みます。国の「民泊の安全措置の手引き」に沿って確かめるのが基本です。
- 台所・浴室・便所・洗面設備の位置
- 間取りと出入口、各階の別
- 居室・宿泊室・宿泊者が使う部分の床面積
- 非常用照明器具の位置と、避難のための措置
出典: e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法施行規則」第4条第4項(2026年10月24日確認)
居室の床面積は、宿泊者1人あたり3.3㎡以上が必要です(厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則)。この面積から、泊められる人数の上限が決まります。図面づくりに慣れていなければ、建築士に相談してください。
手順5. 事前相談・近隣への周知・消防の手続き
届出の前には、自治体の窓口での事前相談と、消防署での消防法令適合通知書の取得が必要で、自治体によっては近隣への事前周知も求められます。
順番や中身は自治体ごとにちがうので、物件がある市区町村の案内を必ず確かめます。消防の設備は、家主が不在になるかなどで大きく変わります。
名古屋市の場合(短くまとめ)
- 図面を持って管轄の保健センターへ事前相談する
- 周辺の住民へ書面を配るなどして事前周知する
- 消防署予防課で消防法令適合通知書を申請し、実地検査を受ける
- 住居専用地域では、条例で平日(月曜正午〜金曜正午)の営業ができない
出典: 名古屋市「住宅宿泊事業(民泊)届出」(2026年10月24日確認)
名古屋市のルールの細かい点は、市の「民泊のしおり」と窓口で確かめてください。
手順6. 民泊の届出を出す
民泊の届出は、住宅宿泊事業を始める日の前日までに、住宅ごとに届出書と添付書類を出して行い、原則は観光庁の民泊制度運営システムを使います。
住宅宿泊事業法施行規則の第4条が、届出の期限を「開始しようとする日の前日まで」と決めています。添付書類には、次のようなものがあります。
- 住宅の図面
- 欠格事由に当たらないことを誓う書面
- 賃貸なら転貸の承諾書、マンションなら管理規約の写し
- 管理業者に委託するなら、管理受託契約の書面の写し
- 自治体が求める書類(消防法令適合通知書など)
注意
届出に不備があると、直るまで受理されません。準備には日数がかかるので、開業日から逆算して早めに動きます。
手順7. 開業の準備をする(標識・名簿・清掃)
民泊の開業前には、標識を掲げ、宿泊者名簿の仕組みを整え、チェックアウトごとの清掃・リネン・ごみの段取りを決めておきます。
住宅宿泊事業法は、事業者に次のことを求めています。届出が受理されたあとも続く義務です。
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 衛生の確保(第5条) | 1人3.3㎡以上の確保、定期的な清掃と換気 |
| 宿泊者名簿(第8条) | 名簿を備え、作成から3年間保存する |
| 周辺への配慮の説明(第9条) | 騒音・ごみ・火災の防止について宿泊者に説明する |
| 標識の掲示(第13条) | 住宅ごとに、公衆の見やすい場所に掲げる |
| 定期報告(第14条) | 偶数月の15日までに、前の2か月の泊数などを報告する |
出典: e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法」・e-Gov法令検索「住宅宿泊事業法施行規則」第7条・第12条(2026年10月24日確認)
清掃の体制は、開業の前に決める
清掃は、法律でも「定期的な清掃」として求められる業務です。最初の予約が入る前に、だれが、いつ、どこまで清掃するかを決めておきます。
- チェックアウトから次のチェックインまでに、だれが清掃するか
- シーツや枕カバーを、宿泊者ごとに替える段取り
- アメニティの補充と、ごみの分別・回収のしかた
株式会社ミルは、名古屋市中区金山に事務所を置き、名古屋市内の民泊・宿泊施設の客室清掃を、リネン・アメニティ・ごみの回収まで含めて請け負う清掃代行会社です。
ミルの料金の目安は、1LDK(〜40㎡)で12,000円〜(税込・リネン・アメニティ込み)です。物件の状態や作業の範囲で変わるので、正確な金額はお見積りでお出しします。
地域によっては交通費が、駐車場のない物件では駐車場代が、別途かかる場合があります。くわしくは清掃サービスのページをご覧ください。
開業日が決まったら、清掃の段取りもご相談ください。名古屋市内の物件が対象です。
ポイント
ミルの対応エリアは名古屋市内のみです。名古屋市外で始める方は、お近くの清掃会社にご相談ください。
よくある質問
Q. 民泊は個人でも始められますか?
始められます。住宅宿泊事業法の欠格事由に当たらなければ、個人でも届出ができます。法人の場合は常に「不在」の扱いになり、管理業者への委託が要ります。
Q. 賃貸の部屋で民泊を始められますか?
貸主が民泊のための転貸を承諾していれば可能です。届出のときに、承諾したことを証する書面を添えます。承諾がなければ始められません。
Q. 自宅の空いた部屋で民泊はできますか?
台所・浴室・便所・洗面設備のある自宅なら、要件を満たせば可能です。家主が住みながら居室5以下で泊めるなら、管理業者への委託は原則いりません。
Q. 届出はいつまでに出せばよいですか?
住宅宿泊事業を始める日の前日までです。ただし、事前相談や消防の手続きに日数がかかるため、余裕をもって準備してください。
Q. 民泊を始めたあとに、毎月やることはありますか?
2か月ごとに、泊めた日数や宿泊者数を自治体へ報告します。偶数月の15日が締め切りです。あわせて、宿泊者名簿を3年間保存します。
Q. 民泊の清掃は自分でしてもよいですか?
してもかまいません。法律は事業者に定期的な清掃を求めているので、自分でするか、清掃会社に頼むかを開業の前に決めておくと安心です。
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